ID:L-CH0007 | |||||
データ収集日:2019年2月19日 | |||||
聞いた素材:『著作権の必須知識を今日90分で身につける!』福井健策,KeioOpenLearning,2017(慶應義塾大学教養研究センター「情報の教養学」) | |||||
https://www.youtube.com/watch?v=0hQBcPTRUog | |||||
行番号 | 聞いた素材 | 協力者の発話内容 | データ収集者の発話内容 | 備考 | |
発話 | 日本語訳 | ||||
1 | はい,著作権,これは情報に対して生まれる権利です。たとえば我々がネットでなにか素材を見つけてこれを使いたいなあと,それが画像であっても,あるいは音楽,あるいはテキストであってもですね,それが,著作物と言えるような情報であるならば,それは基本的には勝手に使うことはできません。えー,無断で使うと著作権侵害といって,ま,それなりに深刻な結果を,招くこともある。うー,こんな感じです。 一方でその情報が, |
[5秒間無言。]著作权,是…。[15秒間無言。] | [5秒間無言。]著作権,は…。[15秒間無言。] | ||
2 | なにか例も挙がっていましたね。 | ||||
3 | [5秒間無言。]音乐,电影之类的艺术作品。 | [5秒間無言。]音楽,映画などの芸術作品です。 | |||
4 | それらが?それらを? | ||||
5 | 嗯…。[25秒間無言。] | うん…。[25秒間無言。] | |||
6 | なにか覚えていることがあれば,まとめてもらったら…。 | ||||
7 | [10秒間無言。]「すみません[日本語で発話する]」。 | [10秒間無言。]「すみません」。 | |||
8 | わからないなら,わからないといってもらって大丈夫です。 | ||||
9 | 「聞いているときはわかるけど,でも,すぐ止まったから,忘れてしまった[日本語で発話する]」。 | 「聞いているときはわかるけど,でも,すぐ止まったから,忘れてしまった」。 | |||
10 | 著作物でない場合ですね,これは,それでもこう,肖像権とか,ほかの権利が働くこともないとは言えませんけれども,原則として自由に使えることになります。 つまり,世の中のこの膨大な情報というのは,自由に使えない,著作物に当たる情報と,それから,自由に使える,そうではない情報に,こう二分できると言っても過言ではないわけです。 |
啊,著作,著作,作品,肖像权之类的,额,信息,庞大的信息量。[10秒間無言。] | えっと,著作,著作,作品,肖像権のような,えっ,情報,膨大な情報量。[10秒間無言。] | ||
11 | なにかそのあと聞き取れましたか。単語でもいいですよ。こんな言葉が聞き取れましたとか。 | ||||
12 | [20秒間無言。] | [20秒間無言。] | |||
13 | で,これは情報社会にとっては決定的な,差ということになります。というわけでみなさんには,著作物の定義から先に覚えていただこうと,えーこういうふうに,なります。情報の教養学としてはまさに,著作権というのはいまや,必須の知識だと思いますが,その中で最も重要な知識が,これということになります。今日これだけは覚えて帰ってください。とはいえ,条文なんてのは,もうできればこう,ふれずに生きてるのが一番,ですからね。ていうか,あの法律自体できれば,あの無関係で生きているのが一番,ということになりますんで,できるだけ単純化するとですね,その中のこの部分,この創作的な表現,これだけ覚えていただければ,生きていく上ではなんとかなります。 | 著作权的定义。创作…的表,表现,是,最重要的。 | 著作権の定義。創作…的な表現,が,一番重要です。 | ||
14 | ほかになにか聞き取れたことはありますか。 | ||||
15 | 请大家,就记住这个就行了。 | みなさんは,これを覚えておけばいいです。 | |||
16 | これだけ覚えてください。創作的な表現です。と言っても,これじゃあやっぱり抽象的ですので,あの,法律は例を挙げてくれているんですね。これがなかなか使い出があります。この例も,ちょっと頑張って,頭に入れてください。えー,1番目です。それは,小説や脚本・講演などの言葉の作品である。ま,作品っていう必要はない,言葉である,つまりテキスト。これがまず著作物の最初の例です。この,などのところにはたとえば論文とかね,詩とか短歌なんかはここに入ってきます。 | 额,创作的,表现,因为比较抽象,所以就举一些例子来说明。特别是小说,脚本,演讲之类的。诗歌,论文都在,之内。包括在里面。 | えっと,創作的,表現,は非常に抽象的なので,例を挙げて説明します。特に小説,脚本,講演などです。詩歌や論文などもここに入ります。含めています。 | ||
17 | よろしいでしょうか。 えー2番目です。音楽。これは作詞作曲です。あの,歌う歌手やミュージシャンが,著作権を持っているわけじゃないんですね。歌われる,作詞作曲,いわば楽譜に書ける情報が著作物であって,えーそれを作りだした作詞家とか作曲家が,著作権を持っていることになります。よいでしょうか。あ,ですからあのー,ジャスラック,えー日本音楽著作権協会というね,こう,なんというかね,こう,すばらしい団体がありますけどもね。もうね,最近とみにすばらしさがこうね,日増しに増してる感じがこう,しますけれども。あれは作詞家作曲家から権利を,預かって,いわば委ねられて,ああいうことをしているわけです。 | 「音楽は…[日本語で発話する]」音乐主要的就是作词作曲。嗯,作曲的著作权在作词家跟作曲家的[聞き取り不能]。呃。[30秒間無言。] | 「音楽は…」音楽は主に作詞と作曲です。作曲の著作権というのは作曲家と作詞家[聞き取り不能]にあります。うーん。[30秒間無言。] | ||
18 | そのあとですよね。なにか出てきましたよね。 | ||||
19 | 「あの例は…聞き逃した。あの例はちょっと聞き逃した[日本語で発話する]」。 | 「あの例は…聞き逃した。あの例はちょっと聞き逃した」。 | |||
20 | なにか音は聞けましたか。音だけでも聞けましたか。 | ||||
21 | 「ちょっと早口で,ちょっと聞けませんでした[日本語で発話する]」。 | 「ちょっと早口で,ちょっと聞けませんでした」。 | |||
22 | ね。よろしいでしょうか。これが2番目です。えー,3番目,この舞踊や無言劇ってのは,ダンスやパントマイムで,これも同じで,あの振りつけが著作物なんです。踊るダンサーが著作者なんじゃなくて,踊られる振りつけが著作物で,それを作りだした,振付家,コリオグラファーが,著作者ということになります。だからあの,振りつけを作った,たとえばパパイヤ鈴木さんとかね,ラッキィ池田さんと,それを踊っている,ダンサーとかあるいはAKBとかね,こういう人たちが,こう喧嘩をした場合,僕の振りつけはもう踊らないでねって言われると,理論上は踊れません。そんな感じになります。はい。 | 舞蹈之类的就是,舞,舞蹈的动作,有,创,专门创作舞蹈动作的人。呃,不同风格的舞蹈之间都会,互相,就,AKB之类的,AKB跟,别的,呃,舞蹈,舞者,一起,就,互,互相就不要跳我的舞蹈。 | ダンスなどは,ダンスの動作,を作る専門の人がいます。うーん,異なるスタイルのダンスの間にはお互いに,AKBのような,AKBと,ほかのダンス,ダンサーは,一緒に,お互いに,私の舞踊を踊らないで。 | ||
23 | えー4番目,美術ですね。これは広く,ビジュアルな作品は全部含まれます。あの絵画や彫刻だけとは限りません。えー,たとえばイラストとかね,CG,コンピューターグラフィック。珍しいとこではあの漫画は,この1番のテキストと,4番の美術の複合的な作品だよっていうことを,言います。よろしいでしょうか。 | 呃美术是不包括,就不止只有海外之类的。什么,呃。呃,特别,呃,日本的漫画,漫画之类的,比较特殊,在小说脚本演讲这跟美术这里是复合的。 | うーん,美術は,海外のものだけとは限りません。なんか,えっと。特別な,えっと,日本の漫画,漫画などは特殊なもので,小説,脚本,講演などと,美術と複合しています。 | ||
24 | 複合作品。あの,ほら,吹きだしの中のセリフだけ読んでもあまり面白くないじゃないですか。でも,吹きだしが真っ白だったら,これ相当つまんないですよね。ということで,両方そろって初めて一体ということで,漫画は1,4の複合体です。5番建築。建築芸術と言えるような,独創性のある建物は,これに当たります。6番図形。これは,設計図面とか,それから地図なんかが当たります。 | 呃,建筑,建筑,是,呃,就是,建筑的,额,「建築,建築,スタイルじゃない,建築,建築,語彙がでない,建築の…[日本語で発話する]」,建筑的[聞き取り不能],风,风格? | うーん,建築は,建築は,建築の,「建築,建築,スタイルじゃない,建築,建築,語彙がでない,建築の…」建築の[聞き取り不能],ス,スタイル? | ||
25 | がなんなんでしょうね?ほかになにか? | ||||
26 | 图形。 | 図形です。 | |||
27 | その前に戻るんですけど,4番で漫画が複合作品とさっき言ってくれましたね。どうしてっていう理由はわかりましたか。 | ||||
28 | 额。[45秒間無言。] | えっと。[45秒間無言。] | |||
29 | なにかこんな単語は聞こえたとかでもいいですよ。なにかあれば。覚えてなかったらそう言ってください。 | ||||
30 | 「覚えていなかった。図形…,えーと…[日本語で発話する]」平面设计。 | 「覚えていなかった。図形…,えーと…」平面設計,設計図です。 | |||
31 | 地図。 | 地图。 | 地図です。 | ||
32 | あの,うー,こういうと,えっ地図っていうのは事実をありのままにうつすものであって,別に創作するものじゃないんじゃない普通はと,思われるかたも多いでしょう。で,その通りです。あの事実をありのままにうつしたものというのは著作物じゃありません。あくまでも,そこにこうビジュアルな工夫を加えたりすると,地図も著作物になるよという話です。 | 地图是,额,表明现实的,实际存在的东西,应该是不会跟著作权有,相关。但是,嗯,地图,「工夫して[日本語で発話する]」,跟普,就是跟普通的地图有,做了一些变化,就有著作权相关了。 | 地図は,現実を,実際に存在するものを描いたものなので,著作権とは関係ないと思います。けれども,地図を,「工夫して」,普通の地図から少し変化をさせたら,著作権と関連してきます。 | ||
33 | でね,よってこう,ネット上なんかで,あー地図,ちょうどいいやって言ってこうコピペしてね,でチラシとかね,えーウェブなんかで,こういわば無断で転載をすると,たまーにクレーム受けることがあります。あんまり,滅多に受けません。なんでかっていうと,地図を載っける人ってのはだいたいこうそこに来てほしいから載っけてますね。転載してほしいんですね。だからあんまり,受けない。たまーにそういうトラブルがあって,えー相談があったりします。これが馬鹿にできないのが,あの去年の暮れぐらいからですね,じつは全国の,あの都道府県のような自治体で,ホームページから,地図を大量に削除するっていうのが起きてるんですよ。 | 额,网上的地图,跟现实,「うつす[日本語で発話する]」。[45秒間無言。] | えっと,ネット上の地図,と現実,「うつす」。[45秒間無言。] | ||
34 | 地図がなんとか。なにか聞き取れたこと教えてください。なんでもいいですよ。今ここで迷っているとか,この言葉はあるけど,ちょっと今わからないとか,頭の中に考えてること,そんなきれいに言わなくてもいいので。 | ||||
35 | 网上的地图跟现实中的。[20秒間無言。][聞き取り不能]「さっきのヌクかヌケかウケかちょっと,ちょっと聞き間違いかも[日本語で発話する]」。 | ネット上の地図と現実での。[20秒間無言。][聞き取り不能]「さっきのヌクかケかウケかちょっと,ちょっと聞き間違いかも」。 | |||
36 | なにとなにですか。 | ||||
37 | 「ぬけるとうける。はい,ちょっと,はい[日本語で発話する]」。 | 「ぬけるとうける。はい,ちょっと,はい」。 | |||
38 | ほかはどうですか。 | ||||
39 | 「あとは[日本語で発話する]」。四十七个都道府县的「ホームページ[日本語で発話する]」。额,那些地图的,它有些地图,就是「削除する[日本語で発話する]」。 | 「あとは」。47個の都道府県の「ホームページ」。えっと,それらの地図の,ある地図を,「削除する」。 | |||
40 | あの,ゼンリンとかね,それからGoogleマップとか,えーああいう地図を,結構自治体ってのはこう転載してるんです。でね,去年の暮れぐらいに,あの,DeNAっていう会社が,キュレーションサイトを巡って,ちょっとこう,騒ぎになったわけです。で,あの頃から,著作権真面目に考えなきゃなっていうのが,一段また社会の中で高まりましてね。で,各自治体がこう心配になっちゃったらしいんですよ。で,地図とか無断で転載してていいのか,こう検討を始める。で,そしたらこう,どうも厳密に言うと,だめかもしれないっていう不安が高まったらしくて,そうするとね,真面目ですから,こう一気に,全部削除したりするんですよ。で,どの,どんな規模かっつうと岩手県とか宮城県とかね,4000枚一気に削除とかね。 | 谷歌地图,跟,嗯,「ディー,あの会社なんだっけ。ほかのサイトの地図[日本語で発話する]」,地图。[10秒間無言。]著作权相关的,另一个地图的公司的。[8秒間無言。]著作权。[6秒間無言。]有关著作权的东西。地图,地,地图,跟地图相关有著,著作,著作权,著作权在思考要不要,额,啊。删除?这个,这个也是宫城县跟,「もう1つの県が忘れちゃった。4000ぐらいの削除しました[日本語で発話する]」。 | Googleの地図,と,「ディー,あの会社なんだっけ。ほかのサイトの地図」,地図。[10秒間無言。]著作権に関する,もう1つの地図の会社の。[8秒間無言。]著作権。[6秒間無言。]著作権と関係あるもの。地図,地図,地図に関する著作のある,著作権,著作権と,削除?かどうかを考えている。これも宮城県と,「もう1つの県が忘れちゃった。4000ぐらいの削除しました」。 | ||
41 | どうして削除したんですか。 | ||||
42 | 「あのー[日本語で発話する]」,那个专有名词,不大清楚。 | 「あのー」専門用語が出てきたんですけど,よくわかりません。 | |||
43 | これはね,考えてみるとかなり不便な事態ですよ。こう,都道府県のありとあらゆるね,病院から図書館からね,劇場からありとあらゆる地図が忽然と姿を消すわけです。すると,みなさんはね,こうスマホがなんでも教えてくれる世代ですから,別にたどりつけるけど,お年寄りとかね。ま,お年寄りもともとホームページ見てないかもしれないけども。でもね,こう見て,地図見て地図頼りにたどりつこうっていうときに,その地図なくなっちゃうと,結構混乱が,広がるわけで,地図の著作物なんていうのも馬鹿にできないよと。 | 地图上的,跟现实中的施,设施。呃,有些地图上有有些地图上没有。嗯,现在我们这种,我们这一代年轻人的话,就什么,手机上,手机上都能,什么都能告诉我们。但是像我这,我们这种,上了年纪的,地图有可能就不能准确地告,传达给我们。准确地告诉我们。 | 地図に載っているもの,と現実にある施設。それが載ってる地図もあれば,載ってない地図もあります。現代の私たちのような若い年代だったら,スマホが何でも教えてくれるんですけれども,私みたいな,私たちみたいなお年寄りの世代だと,地図はおそらく,正しく伝えることができないでしょう。正しく伝えてくれる。 | ||
44 | [中略] | [中略] | [中略] | [中略] | [中略] |
45 | えー,映画です。うー,これは,あのー,広く動画,映像作品というのは全部,この映画の著作物っていうふうに扱われます。あの劇場用の映画だけには限らないわけですよ。たとえばテレビドラマとかテレビのバラエティ番組なんかもここに含まれます。よろしいでしょうか。それからあの,ショートフィルムなんかも含まれます。我々の身近にある最も,短い映画の著作物っていうとなにがあるでしょう。はい,時間ありませんから,言ってください。はい。そうですね。はい。この全員参加感でいきたいと思いますけれどもね。こうテレビCMなんかが,こう短いものです。あと6秒動画とか,あんなの含まれてきますね。 | 电影里边,很多东西都包括在了电影里面。电影里。嗯,那种六秒的小,短动画,剧场版,「劇場,映画[日本語で発話する]」。剧,剧场版的动画,「ドラマとテレビのシーンとか全部含まれている[日本語で発話する]」。 | 映画の中に,たくさんのものが映画に含まれています。映画の中に。6秒の小さい,短い動画や劇場版,「劇場,映画」。劇場版の動画など,「ドラマとテレビのシーンとか全部含まれている」。 | ||
46 | テレビのなんですか。 | ||||
47 | 「シーン,シーン場面。[日本語で発話する]」 | 「シーン,シーン場面。」 | |||
48 | うー,映画。あのテレビゲームの画面なんかも映画の著作物。よく言います。うー,写真。これも独創性があれば当たります。プログラム,これコンピュータープログラムです。ということで,この例はなかなか使い出があるんです。なんでかっていうとこれで,だいたい想像がつくんです。我々は,短編小説ですよと言われると,あーじゃあ内容を読んでみて,独創性がどのぐらいあるか判断しましょうかとか,そういうことはあんまり言いません。短編小説ですよと言われたら,あ,きっと著作物だなと,想像をして,これで,ほぼほぼ,間違ったことはないはずです。つまり,99パーセントはもうこの例で,判断がつくんです。 | 照片,电脑的程式也包括在著作权里。肖像权。「ソーゾーケン。肖像権,はい[日本語で発話する]」。小说里,原创小说?「ドクソー[日本語で発話する]」?[15秒間無言。]原创的小说一定是跟那种著作权相关。 | 写真,パソコンのプログラムも著作権に入ります。肖像権。「ソーゾーケン。肖像権,はい」。小説の中,オリジナルの小説?「ドクソー」?[15秒間無言。]オリジナルの小説は著作権ときっと関係があると思います。 | ||
49 | なんでかっていうと,あの1本の短編小説の中に,まったく創作性を込めずに書くほうが,難しいですよ。必ずどっかに独創性,創作性があります。だから全体を言えば,まずたいていは著作物です。にもかかわらず,我々がこう現場でふっと悩むとか,みなさんがなんかトラブルに巻き込まれちゃうときっていうのは,この例では判断がつかない場合が多い。つまり残り1パーセントの場合っていうのは,この例では判断がつかずに,我々は意図しなくても,無意識のうちにこの,これは創作的な表現なのかなっていう,結構ね,哲学的な問いの前に,たたずんでいたりするわけです。 | [10秒間無言。]百。[5秒間無言。]百分之九十的,啊,是,创,著作权,相关的,都跟,都在,都跟下面,那个,举的例子里。还有百分之一是,还有百分之十是在,那种,是否是那种,创作的表现里那种,哲学,哲学上的,那种感觉。 | [10秒間無言。]100。[5秒間無言。]90パーセントの,そう,著作権に関するものはすべて下の例の中に入ります。残りの1パーセントは,残りの10パーセントは,あのー,創作的な表現であるかどうかという,哲学,哲学的な表現かな。 | ||
50 | 90パーセントはこの例でわかるって言いましたね。それを例を挙げて言ってたと思うんですが,例はわかりましたか。 | ||||
51 | 「小,小説[日本語で発話する]」。小说。 | 「小,小説」。小説です。 | |||
52 | それはどういうこと,言っていましたか。 | ||||
53 | 「書くのは難しい[日本語で発話する]」。 | 「書くのは難しい」。 | |||
54 | どういうふうに書くのは難しいですか。 | ||||
55 | 「あの,ある,ある範囲に属する[日本語で発話する]」。在某个范,范围里面。[15秒間無言。] | 「あの,ある,ある範囲に属する」。ある範囲の中で。[15秒間無言。] | |||
56 | どんな範囲の中でしょうね? | ||||
57 | 「忘れた[日本語で発話する]」。 | 「忘れた」。 | |||
58 | というわけで,もうちょっとこの,創作的な表現ということを深めてみたいと思うんですけれども,これはあくまでも抽象的ですから,今日は裏側から考えてみます。つまり,どんな情報が,著作物じゃないのか。どんな情報が創作的な表現では,ないのかということで,今日は5つの例を挙げようと思います。 | 嗯,从正面来找那,那些,哪些是属于著作权范围里面的比较,比较难。所以就反面讲,来找那些不是,不属于著作权的,东西。 | うーん,正面から探す,なにが著作権に入るかは割と難しいので,反対側から,著作権に当たらないものを探します。 | ||
59 | これがまた使い出があります。これは,どう使い出があるかっていうと,要するに自由に使える情報だってことです。著作権のことを気にせずに自由に使える情報の例をこれから5つ挙げますから,これもできれば頭に入れてください。はい,まず1番目です。創作性がないのだから,ありふれた,定石的な表現,これは,著作物には当たりません。つまり,自由に使えます。 | 嗯。[5秒間無言。]不属于著,著作权里的一共有5,5个点。嗯,第一个是,额。[8秒間無言。]自由的…。[20秒間無言。] | あのー。[5秒間無言。]著作権に属さないものは,5つのポイントがあります。えっと,1つ目は,えっと。[8秒間無言。]自由に…。[20秒間無言。] | ||
60 | なにで迷っていますか。なにを今考えていますか。 | ||||
61 | 「やはり,聞きのがした。覚えてない[日本語で発話する]」。 | 「やはり,聞き逃した。覚えてない」。 | |||
62 | [中略] | [中略] | [中略] | [中略] | [中略] |
63 | この,ありふれた表現。これは著作物には当たりません。たとえば私は先ほど,1本の短編小説は,だいたい著作物に当たるんだと言いましたが,それは全体を見るからです。全体を見ると全体構成がありますから創作性がある。でも,これをバラバラに分解していくと,意外とパーツというのはありふれてるんです。たとえば,1文に分解したら,たいていの文章っていうのはありふれてます。 | 短小说,从总体来看就是跟著作权相关,但是把它,额,分,分开来,额。[15秒間無言。]「分解してみる[日本語で発話する]」。 | 短編小説は全体的に見ると,著作権に関係がありますけれども,それを分解して。[15秒間無言。]「分解してみる」。 | ||
64 | どこで迷っていますか。 | ||||
65 | [2秒間無言。] | [2秒間無言。] | |||
66 | なにかこれはちょっと,音は聞けたけど,意味が今わかんないとかあれば。 | ||||
67 | 「いつも聞いたけど,すぐ忘れてしまって[日本語で発話する]」。 | 「いつも聞いたけど,すぐ忘れてしまって」。 | |||
68 | 少年は,背筋を,冷たいものが走るのを覚えた。ありふれてますね。あの,最初に思いついた人っていうのは,独創的だったと思うんですよ。でも今やありふれてるわけです。だから誰かがこう小説を読んでね,生まれて初めて,少年は背筋を冷たいものが走るのを覚えたという,表現に出あう。で,なんとなく印象に残ってて,えー,10年後に自分が初めて小説を書くときに,彼は,背筋を冷たいものが走るのを覚えたと。 | 小说,读小说的时候,「はじめて。背筋は…わかるけど,日本語と中国語両方も,あのう単語が出てこない[日本語で発話する]」。 | 小説,小説を読むときに,「はじめて。背筋は…わかるけど,日本語と中国語両方も,あのう単語が出てこない」。 | ||
69 | さっきの背筋はわかるけど? | ||||
70 | 「背筋,はい[日本語で発話する]」。 | 「背筋,はい」。 | |||
71 | 背筋がどうっていうのを教えてください。 | ||||
72 | 「[背筋を指さして]こう[日本語で発話する]」。 | 「[背筋を指さして]こう」。 | |||
73 | そこがどうしたんですか。 | ||||
74 | 「なんか小説を読むとき,なんか印象残るの感じで,何回,何冊読んでも,何回も読んで,自分が,自分,小説を書くとき,たぶんこの影響もあると思う[日本語で発話する]」。 | 「なんか小説を読むとき,なんか印象残るの感じで,何回,何冊読んでも,何回も読んで,自分が,自分,小説を書くとき,たぶんこの影響もあると思う」。 | |||
75 | 今の話と,その背筋というのとなんの関係があるんですか。 | ||||
76 | 「比喩かな[日本語で発話する]」。 | 「比喩かな」。 | |||
77 | なんのときの比喩ですか。それは自分がするときの比喩ですか。 | ||||
78 | 「感じ,なんの…,小説を書くときの,あのう,影響を受けられたの感じの比喩かな[日本語で発話する]」。 | 「感じ,なんの…,小説を書くときの,あのう,影響を受けられたの感じの比喩かな」。 | |||
79 | これはもちろん,構わないわけです。あのそういうふうに考えないと,我々はどんなに独創的な小説を書こうが,子供の頃に読んだどれかの教科書に対する侵害だったということになりかねないわけですよね。そういうふうに考えると,文化というのは窒息するんです。ですからそんなふうには考えません。そしてここに,全体を見ても,あるいは例では,判断がつかない場合があると言った理由があります。あの,小説全体が著作物だとしてもそれで話終わりじゃないんです。そこから, | [10秒間無言。]嗯,著作。[20秒間無言。] | [10秒間無言。]あのー,著作。[20秒間無言。] | ||
80 | どこで迷っていますか。 | ||||
81 | [60秒間無言。]「1文,創作性がある。1文だ…[日本語で発話する]」。就那一句话,的创作,创作,额。[5秒間無言。]别的都忘了。 | [60秒間無言。]「1文,創作性がある。1文だ…」。その1文,の創作,創作,えっと。[5秒間無言。]ほかのは忘れました。 | |||
82 | 1文を借りてくるときに,この1文に,創作性があるか,この1文が創作的な表現と言えるかが,勝負の分かれ目なんです。言えなかったら,使って構わないんです。利用する部分で著作権というのは,考えるんですね。これが,基本です。 |
那句话,额。[5秒間無言。]那句话,「を1文?借りる[日本語で発話する]」?借,那句话,借,借来。额。[15秒間無言。] | あの文,えっと。[5秒間無言。]あの文,「を1文?借りる」?あの文を,借りてくる。[15秒間無言。] | ||
83 | 借りてきて,どうするんでしょうね。 | ||||
84 | 「自分にか,書く,自分の文章に入って[日本語で発話する]」。[5秒間無言。]「相手,サクジョ[日本語で発話する]」?[10秒間無言。]「あと,なんの基本,基本,なんの基本は,思い出さない[日本語で発話する]」。 | 「自分にか,書く,自分の文章に入って」。[5秒間無言。]「相手,サクジョ」?[10秒間無言。]「あと,なんの基本,基本,なんの基本は,思い出さない」。 | |||
85 | というわけで,ありふれた表現,使える,あーなるほどわかった,わかったけれども,一体それって,どの程度までだったらありふれてると言って,どの程度は創作的な表現って言うんだと。それ,たぶん程度問題だよねと。その通りなんです。あのー,たとえば1文はたいていありふれてると言ったけれども,これが2文になって3文のかたまりになると,当然だけど組みあわせが生まれますから,創作性ってのは普通は高まります。じゃあ,どのくらいから,創作的な表現なの, | 「1文の中で,ど,どのぐらいの程度が,か,借りた,借りた,さん,2分の1,3分の1とか,アリフレタの表現です[日本語で発話する]」。 | 「1文の中で,ど,どのぐらいの程度が,か,借りた,借りた,さん,2分の1,3分の1とか,アリフレタの表現です」。 | ||
86 | ありふれた表現はどこからですか。どれぐらいか。 | ||||
87 | 「さん,さん,3分の1[日本語で発話する]」? | 「さん,さん,3分の1」? | |||
88 | 3分の1はありふれた表現,ということですか。 | ||||
89 | 「すみません,アリフレタの表現はちょっと日本語で発話する]」。 | 「すみません,アリフレタの表現はちょっと」。 | |||
90 | わからないんですよね? | ||||
91 | 「はい,アリフレタ表現[日本語で発話する]」。 | 「はい,アリフレタ表現」。 | |||
92 | 3文だったらどうなの。たとえば村上春樹の小説から3つの文のつながりを,まるまる借りてきて自分の小説に,使っちゃう。まあほんのてにをはだけ変えて使っちゃう。これはオッケーなの。んーなんか,だいぶ微妙な気がする。1段落はどうだと。1段落借りてきて固有名詞だけ変えて自分の小説に使っちゃう。たぶんだめなんじゃないかっていう気がする。こんなふうに,長さがすべてじゃないけども,だんだんだんだんありふれた表現からこう創作性が増してって,たぶんどっかでだめの領域に入るんだろうなってことは想像がつくわけです。 | 啊,额,「1段落,自分の文章で,2,3文を使った,使ったら,ちょっと微妙な感じをする。でも,1段,1段落をまるまるで自分の文章に入ったら,きっとだめかなと思っている[日本語で発話する]」。 | あ,えっと,「1段落,自分の文章で,2,3文を使った,使ったら,ちょっと微妙な感じをする。でも,1段,1段落をまるまるで自分の文章に入ったら,きっとだめかなと思っている。」 | ||
93 | その微妙とか,だめってどういう意味ですか。 | ||||
94 | 「微妙はちょっと,微妙…。微妙は,ギリギリ,ギリギリセーフかな[日本語で発話する]」。 | 「微妙はちょっと,微妙…。微妙は,ギリギリ,ギリギリセーフかな」。 | |||
95 | 具体的に。なにがギリギリセーフですか。 | ||||
96 | 「あのう,創作性,著作権に違反するかどうか,ギリギリセーフかな[日本語で発話する]」。 | 「あのう,創作性,著作権に違反するかどうか,ギリギリセーフかな」。 | |||
97 | じゃ一体,どの程度なんだ。それは,あんまり高い創作性では,ないと言われています。むしろ,その人なりの最低限の個性が表れてれば十分だと,いうのが,判例の言うところです。最低限の個性が表れていればいい。その人らしいなってものがちょっとでもありゃあいい。だからあんまりいい例じゃないんだけども,あの,子供の落書きでも著作物だよってよく言います。子供に失礼ですよね,なんかね,こう子供の落書きいいのたくさんありますからね,なんかね。でも,要するに出来の良し悪しなんか問わないよと,いうわけです。じゃあ一体どの程度かと。スナップ写真で,著作物かどうかが争われたことがあります。 | 「最低の個性を表すのは大丈夫です[日本語で発話する]」。 | 「最低の個性を表すのは大丈夫です」。 | ||
98 | 大丈夫っていうのはどういう意味ですか。具体的に。 | ||||
99 | 「やはり著作権に関する…著作権に関する違反してない,著作権を違反してない[日本語で発話する]」。 | 「やはり著作権に関する…著作権に関する違反してない,著作権を違反してない」。 | |||
100 | ほかになにか例がありましたね,そのあとね。わかりましたか。 | ||||
101 | 「なんの写真,写真か。[日本語で発話する]」。 | 「なんの写真,写真かな」。 | |||
102 | その前にも1つ例があったと思いますが,それはわかりましたか。 | ||||
103 | [5秒間無言。]「聞きました[日本語で発話する]」。 | [5秒間無言。]「聞きました」。 | |||
104 | [中略] | [中略] | [中略] | [中略] | [中略] |
105 | で,2番目です。著作物から除かれる情報その2。事実やデータです。客観的な事実というのは,あれは,誰かが創作したものでないので,著作物には当たりません。たとえば昨年の,日本での交通事故の24時間以内死者数は何人だったみたいな情報です。これは,厳然とそこで起きたことであり,誰も独占することはできません。だからどんなに苦労して調べあげたデータであっても,公表したが最後,基本は利用自由です。 | 「ネット上の,客観的な角度で[日本語で発話する]」。客观的,呃,表现,客观的表现。呃,交通,网上,某个交通,「キカン[日本語で発話する]」?机关。二十四小时的…。[10秒間無言。] | 「ネット上の,客観的な角度で」。客観的な…表現,客観的な表現。交通,ネット上,ある交通,「キカン」?機関。24時間の…。[10秒間無言。] | ||
106 | 客観的な表現というのはなんの例ですか。例というか,説明でしょうか。 | ||||
107 | 「ある交通機関24時間の,なんかあるものが,ばれたかなと,なんか,なんか思い出さない[日本語で発話する]」。 | 「ある交通機関24時間の,なんかあるものが,ばれたかなと,なんか,なんか思い出さない」。 | |||
108 | ばれたって言ってました? | ||||
109 | 「言ってないけど,たぶん[日本語で発話する]」。 | 「言ってないけど,たぶん」。 | |||
110 | そんなような? | ||||
111 | 「考え。なんか,いろいろな,なんかデータとかばれたかなと思って[日本語で発話する]」。 | 「考え。なんか,いろいろな,なんかデータとかばれたかなと思って」。 | |||
112 | え,政府系の,あの白書に載っていたデータですけど大丈夫ですか。大丈夫です。あのシンクタンクが発表した,統計データですけど。公表されてる以上は,基本は自由に使えます。データを抽出するのはね。そのデータを説明するための文章を丸ごと借りてきたりすると,文章にはレトリックというものがありますから,だめな場合もあります。 | 「チューシュツ…。データ…[日本語で発話する]」。为了说明,某些,额「データ[日本語で発話する]」。额,有些,把有些文章的段落都拿,把,别的文章就直接用来,解,解释那些「データ[日本語で発話する]」。「たぶん大丈夫か…[日本語で発話する]」。应该是「だい,大丈夫です[日本語で発話する]」。 | 「チューシュツ…。データ…」。ある「データ」を説明するために,ある文章の段落を借りてきて,ほかの文章を直接借りてきて,その「データ」を説明する。「たぶん大丈夫か…」。たぶん「だい,大丈夫です」。 | ||
113 | データを借りるのは,公表データなら基本自由です。よろしいですか。ただし,あの利用規約に反するとかね,そういうケースが中にはありますから,利用規約はよく読んだほうがいいと思いますけどね。2番目の事実,データでした。えー3番目。著作物として守られるのは,具体的な表現として形を取ったものです。具体的な表現です。その根底にある,アイディアは守られません。 | 「キヤク[日本語で発話する]」。[10秒間無言]额,具体的,想,想法,额,「あっ,違う[日本語で発話する]」。具体的表现。额,想法是不包括在里面。「以上です[日本語で発話する]」。 | 「キヤク[日本語で発話する]」。[10秒間無言]具体的なアイディア。「あっ,違う」。具体的な表現。アイディアは中には含まれません。「以上です」。 | ||
114 | 具体的な表現とアイディアは別ということですか。 | ||||
115 | 「はい[日本語で発話する]」。 | 「はい」。 | |||
116 | アイディアは流用自由なんです。実は。たとえば,猫の一人称で小説を書くと。天才的なアイディアですね。ここでは仮に,これは我が国が誇る夏目漱石先生が,ね,最初に,世界で思いついたんだとしましょう。猫の一人称で小説を書こうと思うんだよ僕はと。 | 「猫に第一人称で,小説を書く。夏目漱石の吾輩の猫であるという小説です[日本語で発話する]」。 | 「猫に第一人称で,小説を書く。夏目漱石の吾輩の猫であるという小説です」。 | ||
117 | これを彼が,当時仲のよかった正岡子規にしゃべったとしましょう。そしたらなんと,正岡子規のほうが,そのアイディアを使って先に,猫の一人称で小説を書いちゃったとしましょう。まずいですね。ふたりの友情はそれで終わりです。しかし,著作権侵害にはおそらく当たりません。このアイディアだけであれば,著作物とは言えないんです。利用は自由なんです。あのー,書いたあとも同じですよ。吾輩は猫であるを漱石が発表したあと,それを読んだ人が,あ,猫の一人称で僕も書いてみようって小説書くのは自由です。 | 「夏目漱石は猫,第一人称で書くの前に,友だちの小説も猫,に第一人称を書ったんですけど,ですから,ふたりの友情も終わり,終わってしまった。そして,吾輩が猫であるという小説,発表したから,したあと,読者の心の[日本語で発話する]」。在读者也引起,读者的心里之间也引起了一些反响。 | 「夏目漱石は猫,第一人称で書くの前に,友だちの小説も猫,に第一人称を書ったんですけど,ですから,ふたりの友情も終わり,終わってしまった。そして,吾輩が猫であるという小説,発表したから,したあと,読者の心の」。読者の中でも,読者の心にも反響がありました。 | ||
118 | その,お友だちが先に小説が書いたのは本当の話ですか。 | ||||
119 | 「えっ[日本語で発話する]」?[8秒間無言。]「事実だと思う[日本語で発話する]」。 | 「えっ」?[8秒間無言。]「事実だと思う」。 | |||
120 | なんでそうなってるのか。これはもちろん,価値のあるアイディア,ねえ,いい加減な創作物そのものよりも,たとえば小説そのものよりも,根底のアイディアのほうが,価値があるなんていうのはざらにあることです。じゃ,アイディア無断で借りられたら腹立たないの。もんのすごい腹立ちます。借りられた経験のある人だったらわかりますよね。自分のアイディアを,人がまるで自分の思いつきであるかのようにどっかでね。もうね,それについて語り始めるとちょっと長いんでやめますけどもね。うー,じゃあなんで自由利用にしてるのかと。これは,たとえばそのアイディアの中には作品の作りかたのアイディアもあります。空気遠近法なんていってね。遠くにあるものは色がぼやけて色が薄れて見える。この空気の作用を利用して,遠近感を出す技法を空気遠近法と言います。 | 「価値は,あるアイディア。クー…。あと,この例はちょっとわから,わかりません[日本語で発話する]」。 | 「価値は,あるアイディア。クー…。あと,この例はちょっとわから,わかりません」。 | ||
121 | そのあとはなにかわかりましたか。 | ||||
122 | 「あとが,クー,なんのクーケイかちょっとわからない。[日本語で発話する]」 | 「あとが,クー,なんのクーケイかちょっとわからない。」 | |||
123 | くうなんとかって聞こえたんですね。それはなんの話で出てきましたか。 | ||||
124 | 「ある,価値あるアイディアのなんか例かなあ[日本語で発話する]」。 | 「ある,価値あるアイディアのなんか例かなあ」。 | |||
125 | えー,これを大成したひとりが,レオナルド・ダ・ヴィンチである。この空気遠近法によって書かれた彼の代表作が,なんでしょうか。そうなんです。そうですね。ありがとうございます,全員参加ですからね。はい。モナ・リザですね。あの今はもう全体ぼやけちゃってますからあのよくわかんないですけど,あの,書かれた当初はあの,女性は,くっきりとした色で,描かれて,遠くはぼやけてたんです。仮にこの空気遠近法というアイディアが著作物だとすると,要するに誰も,空気遠近法で絵を書いちゃいけないってことになるわけです。 | 「ダ・ヴィンチ[日本語で発話する]」,画的蒙娜丽莎。「もうひと…やはりよくわかりません」[日本語で発話する]。 | 「ダ・ヴィンチ」,が描いたモナリザ。「もうひと…やはりよくわかりません」。 | ||
126 | レオナルドが生きてる間と彼が死んでから何十年もの間,遺族の許可がない限り,たとえ頭の中に絵があっても,たとえここに傑作があって,あとは手を動かすだけだと思っていても書けないんです。著作権侵害になっちゃうから。これが,アイディアを独占させない理由です。すばらしいアイディアだったら,みんな自由に使わせて,もっとよい作品が生まれることを期待しようと。その代わり,生まれた具体的作品を,まねすることはなしにしよう。これが,我々の,社会の,いわば,バランスラインです,現在。表現は,無断利用なし。 | 「レオナルド?もうひとりの画家があの[日本語で発話する]」。额,另一个画家可能因为,就是,就,当时如果也,也有著作权的话,额,就自己的,ai,想法都会被,就没法画,然后就被限制住了。限制。然后就可能就,就画,就没法画。画画。 | 「レオナルド?もうひとりの画家があの」。えーと,もしかしてもうひとりの画家が,当時もし,著作権があったら,えーと,自分のアイディアさえも描くことができない,制限されてしまう。自分のアイディアを使うっていうことに制限がかかってしまう。ですから,絵を描くことができなくなります。 | ||
127 | 自分っていうのは誰ですか。 | ||||
128 | 「もうひとりの画家[日本語で発話する]」。 | 「もうひとりの画家」。 | |||
129 | もうひとりの画家が描くのに制限ができてしまう? | ||||
130 | 就不能按照自己的想法来,就画。画画。 | 自分の考え,アイディアに基づいて,絵を描けなくなってしまいます。 | |||
131 | アイディアは,無断利用ありでと。よいでしょうか。そんなふうに,考えます。さあ,4番目です。うー,著作物に当たらない情報のその4。題号・名称・短いフレーズと書きました。これが[スクリーンの「題号」の所を指示しながら],タイトルです。これは[スクリーンの「名称」の所を指示しながら]作品に登場するような,それぞれの名前です。たとえば,スネ夫。今私がスネ夫と言ったときに,みなさんハッとしたと思うんです。みなさんの頭上にはおそらく,ある特定の人物の顔が浮かんだと思うんです。その人物はおそらく横顔だったんじゃないかと思うんです。だいたい横顔です。みんなが同じ人物を思い浮かべるということはこれはかなり,特徴的な名前です。 | 「スネ夫,タイトル,あと,名称は特定な名前。ある人の名前を話し,話して,みんなの頭の中で,あのひ,人の画像が頭の中で浮かぶと思う[日本語で発話する]」。 | 「スネ夫,タイトル,あと,名称は特定な名前。ある人の名前を話し,話して,みんなの頭の中で,あのひ,人の画像が頭の中で浮かぶと思う」。 | ||
132 | にもかかわらず,これはもとはと言えばたった3音の言葉にしか過ぎないわけですね。ス,ネ,オです。しかも,すねてる男の子だからスネ夫です。元はと言えば大して独創的じゃないんです。あの時代はそういうなん,ネーミングすごい多かったんですね。スネ夫ね。キザオね。イヤミね。イヤミひどいですね。もう人の名前とは思えないですね。まさかあのイヤミがね,何十年を経てああいう復活の形をとげるとはね,こう誰も,思わなかったわけですけれども。うー,いずれにしても,もしこれが著作物だとすると,著作権というのはとっても強い権利ですから,ほぼほぼ,おおやけに使えなくなっちゃうんです。あの,スネ夫を,漫画に書けないとかそんなレベルじゃないですよ。スネ夫という言葉を,ブログに書くこともできなくなります。ね。うちの教授は,スネ夫みたいな奴だからとか書けなくなるんです。 | 「スネ夫とか,いろいろ,ほかのな,名前もだ,出しました。あと,スネ夫は漫画も出てくることができる。でも,教授がこの名前なんていうか,考えてない。なんか使う,スネ夫という名前を使うということが考えることがないかな[日本語で発話する]」。 | 「スネ夫とか,いろいろ,ほかのな,名前もだ,出しました。あと,スネ夫は漫画も出てくることができる。でも,教授がこの名前なんていうか,考えてない。なんか使う,スネ夫という名前を使うということが考えることがないかな」。 | ||
133 | 教授はスネ夫の名前を使わないということですか。 | ||||
134 | 「かな,はい[日本語で発話する]」。 | 「かな,はい」。 | |||
135 | 考えないということは? | ||||
136 | 「使わないかな[日本語で発話する]」。 | 「使わないかな」。 | |||
137 | 書かないほうがいいけど。書かないほうがいいけど書けなくなる。そうするとね,3音の言葉なんてだいたい世の中もうすでに存在してますから,要するに,どんな言葉も使えなくなっちゃう。これじゃあ不便だから,要するに,ありていに言えば短すぎるから,独占させないんです。 短いフレーズも同様で,交通標語なんかよくね,悩みますね。えー,手を上げて横断歩道を渡りましょう。著作物でしょうか。もしこれが著作物だとすると,ほぼほぼ,おおやけには,手を上げて横断歩道を渡りましょうとは言えなくなります。 |
「短いフレーズが著作権に入れない。あのもしなんか,例と,例といえば,あのう,横断歩道を渡るとき,手をあげり,手をあが,上げて渡りましょう,もし著作権に入ったら,たぶん親もこの手を上げて渡りましょうも言えなくなる[日本語で発話する]」。 | 「短いフレーズが著作権に入れない。あのもしなんか,例と,例といえば,あのう,横断歩道を渡る時,手をあげり,手をあが,上げて渡りましょう,もし著作権に入ったら,たぶん親もこの手を上げて渡りましょうも言えなくなる」。 | ||
138 | あの,警察といえども看板に書けなくなります。著作権って強力ですから。んー,困りますね。なにが困るってこう,手を上げて横断歩道を渡りましょうと書かずして,どうやって手を上げて横断歩道を渡りましょうというメッセージを伝えるかですよね。どう,どうやっ,どうやって伝える。ジェスチャーか。見てもらえないかもしれない。倒置法にするか。渡ろうよ,横断歩道を手を上げて。これは,これはあんまりいい標語じゃないですね。あの最初に渡ろうよって言っちゃってますからね。ここで子供行っちゃいますからね。えー,手を上げて横断歩道を渡りましょうがおそらく最適表現なんです。で,覚えといてください。最適表現は,独占させないんです。最適表現を独占させると,そのメッセージを,そこに込められたアイディアを独占させるに等しくなっちゃうから独占させないんです。著作物になるためには,遊びがいるんです。そこのアイディアやそのメッセージから直行するんじゃない,ちょっとした遊びのところを法律は守ってるんです。こんな感じです。はい。 | 「ジェスチャー…,最適表現…,遊び…。あの,あの短いフレーズが最適表現になって,著作権のトセー?に入れない。はい,入るのはちょっと遠回しての遊びの表現です[日本語で発話する]」。 | 「ジェスチャー…,最適表現…,遊び…。あの,あの短いフレーズが最適表現になって,著作権のトセー?に入れない。はい,入るのはちょっと遠回しての遊びの表現です」。 | ||
139 | 最適表現の意味はわかりますか。 | ||||
140 | 「最もよい表現[日本語で発話する]」。 | 「最もよい表現」。 | |||
141 | [以下略] | [以下略] | [以下略] | [以下略] | [以下略] |